アレルギーには青みかん

 柑橘類に咳を鎮めたり美肌効果のあることから、温州ミカンにはアレルギーに有効な成分があるのではないかと考え、人のアレルギー発症のしくみと同じモデルを用い、温州ミカンの抗アレルギー作用の薬理実験を最新の実験テクニックで試みました。その結果、完熟したミカンは、期待したほどの効果が得られませんでした。
過去に、未熟なミカンにも薬効があることが知られていましたので、ミカンの花が終わった7月の緑色の小さな果実の頃から12月頃の黄色く熟するまで、和歌山のミカン山で2週間ごとに採取したものを用いて実験を行いました。その結果、7月中旬から下旬にかけて採取した青ミカンに最も強い抗アレルギー効果を認めたのです。
すばらしい発見だったので、すぐに学会発表し、学術雑誌に投稿しました。マスコミでも全国的に報道されました。


ミカンは2000年前から薬用にされていた

 ミカンは薬用果実としても有名で、中国で2000年前に刊行された薬の専門書『神農本草経』に、咳や痰、咽喉痛、食欲不振、腹部膨満感などの治療薬として用いられていたことが収蔵されています。また、未熟なミカンを日本では昔「久丸(くまる)」といい、肺や胃腸などの五臓六腑を活発にして、肌を美しくし、下痢止めになるともいわれています。

【参考資料】柑橘類を素材とする漢方薬


近畿大学の"青みかん"研究プロジェクト

 近畿大学では薬学部、農学部、生物理工学部、近畿大学東洋医学研究会、近畿大学付属農場湯浅農場が共同で「柑橘類の薬用研究・ 開発プロジェクト」を創設し、本格的な柑橘類の薬用研究を始動しました。
とくに、今回は未熟な青い時期に採取した“青みかん”に、強い抗アレルギー効果があり、花粉症、アトピー 性皮膚炎、気管支喘息、じんま疹などのアレルギー疾患にすばらしい効果のあることを発見したのです。